20210802

無骨さに包まれたなら

 



今のアトリエで仕事をし始めて8カ月がたちました。早いな~、とも思うのですが、まだ一年もたってなかったんだ、とも思います。オープンアトリエは最初のひと月目からスタートしていたので、途中一回お休みを挟んで7回したことになると思います。こんなにひっそりとした感じでしているのに、毎回靴を試しに来ていただける方がいて始めて良かったなー、としみじみ。。また同じビルの八六八ビルさん、ハイネさんにも協力していただき毎回心置きなくディスプレイをさせていただけて、感謝しかありません。。





7月のオープンアトリエの様子、今月はバラのはな




超無骨超好き



元印刷工場だった空間に、そこで使われていた事務机やソファー、あとは季節?のお花でディスプレイすることにしています。ショップ感はほとんど、というか全然ないのですが、シンプルに革靴だけを感じていただける空間になっている気がします。。。


次回のオープンアトリエはきっと残暑という名の真夏、8/28、29の2日間です。無骨滅法な空間に革靴を並べて皆様のお越しをお待ちしています。


20210726

ツンデレであれ。。。

 


「うーん、なんか違うかも、やっぱりこの方がいい、絶対この方がエモい、いや、それは今じゃない、ていうかエモいって何?」みたいなやり取りが新しいデザインを作る時には必ずあって、女性用のローファーで最後まで頭を悩まさせられたのがベロの形。最終的に角を丸く落としたものを採用したのですが、直前まで角張ったベロとどちらにするか決めあぐねていました。





角ばったベロ





角を丸く落としたベロ。最終形。




















パンツやスカートに隠れてしまえば見えないような部分ではあるけど、極力装飾を入れずにシンプルに仕上げたいと思っていたこのローファーにとってはベロの形はその靴の性格をほとんど決めてしまうくらい大切なものでした。なんだろう、ワンレンと前髪パッツンくらい印象が変わる感じでしょうか。。。








履いていくうちに柔らかな皺が入る、とても美しい姫路のキップレザー。






ブログを書いていて思い出したのですが、もう10年位前、紳士のドレスシューズだけを作っていた時に、何故か集中的にこのタイプのローファーを作ることになり、その時に参考にしたのが、アンディ・ウォーホールがモデル名になっているローファーでした。あとフィレンツェの靴職人さんの靴にも同じようなデザインがあって、いい靴だなー、と思って勉強したことを思い出しました、すごく懐かしい。。




自分が惹かれる靴は色々とあるのですが、どこか柔らかさが感じられるということが重要だと思っていて、その雰囲気をどう持たせるかをよく考えます。最近思うことは柔らかさを出そうと思うと、硬さを持たせる必要があるのかなということ。柔らかなものの中にある柔らかさはそれを感じることが難しいですが、硬いものの中にあればその柔らかさはとても良く分かります。文章が分かりにくくてスイマセン。。人の感じで例えるなら、誰にでもニコニコ優しく接してくれる人も素敵ですが、不愛想でちょっと近寄りがたいけれど、話してみるとやっぱり無口だったけれど、ごく稀に見せる笑顔が素敵、みたいな人がとても魅力的に感じます。このローファーはそういった靴に仕上がったような気がしています。本製品はベロが丸い方になります、、、どうぞお試しください。


20210603

ロングウィングなバックベルト









新作のロングウイングバックベルトです。画像は製品化の前に諸々のバランスを確認するためにずっと履いていた試作の靴。左右配色が違うのは1度に2パターン確認したかったから。。。











試作だとベルトは大分クタッとなりました。これはこれでいいけどもっとメダリオン(つま先の穴飾り)に張り合ってほしかったから、ライニングの革をヴァンプ、中敷きに使っている極厚のシュリンクレザーに変更しました。










配色やテクスチャーはスタイリングをイメージしてバランスをとったりは全然していなくて、どんな風に合わせるかは履いてからのお楽しみ、みたいになればいいなと思ってほとんど直観だけで作りました。










このデザインは名前の通り、ロングウイングチップをベースにしていて(アメリカの紳士靴の大好きなデザイン)、靴全体に穴飾りをちりばめるフルブローグ特有の魅力を少し違った形で表現できたらと思って、あえて踵が見えて涼し気なバックベルトに転用しています。







仕事でも最近ずっとこればっかり履いていました。
靴型を使って、ある程度足なりに作る靴の場合、踵のつかみ方は物凄く苦心する部分なんですが、このデザインだとピンポイントで肝心かなめの部分にフィットすることができるので、楽なのに脱げないという不思議現象が起きます。すごくずるいデザインだと思いました。






楽なのに、、、




脱げない、、、




black×purple



メダリオンの裏打ちとベルトを紫に、甲と中敷きにシュリンクレザーを。
好きや!!ってなるか、いやちょっとこれは、、、ってなるコンビネーションかなと思います。この紫は日本の伝統色の本紫を目指して作ってもらったヌメ革です。とても奇麗な色。






camel×purple




メダリオンの裏打ちとベルトを紫に、甲と中敷きにキャメルのシュリンクレザーを。ボトムの革の部分もそれにリンクしています。
好きです!!ってなるか、アリエナイ、、、ってなるかどっちかなコンビネーションだと思います。3つの中では1番クレイジーでしょうか。。。

あと、完成形ではベルトはクタッとなりません。。






black×black











ベルト、中敷きにシュリンクレザー、それ以外を黒のスムースレザーにしたもの。スムース部分がドレス的であること、黒で統一していることで、よりベルト、中敷きのシュリンクレザーのテクスチャーが映えます。










ヒール内側には釘を3本打ち込んでいます。多分履き手しか分からない。。










奇麗だったり、アメリカンだったり、日本の色だったり、ワイルドだったり、ハンドメイドだったりな靴に仕上がりました。


どうぞお楽しみください。